日本における喫煙者は、以前に比べるとかなり減ったようです。でも海外の国々では、依然深刻な課題となっているところもあります。子どもが喫煙していることを保護者が把握しているのか、把握していれば何か介入することで子どもの禁煙をすすめることができるのか、そのような視点でおこなれた調査をご紹介します。
Tsu-Shuan Wu and Benjamin W. Chaffee. Parental Awareness of Youth Tobacco Use and the Role of Household Tobacco Rules in Use Prevention. Pediatrics November 2020, 146 (5) e20194034; DOI: https://doi.org/10.1542/peds.2019-4034
子どもがタバコを使用しているのか、家庭での禁煙指導の効果について調査しました
子どものたばこ使用に対する親の知識や疑い、家庭でのたばこ禁止の規則と青少年のたばこ使用開始との関連を再調査しました。
参加者は、「たばこと健康に関する人口評価調査」の対象になった人たちのうち、青少年(12歳~17歳)でした。
横断時系列分析(N = 23 170)を用いて、青少年が報告した使用カテゴリー(たばこのみ、電子たばこのみ、無煙たばこのみ、複数を使用)に応じて、子どものたばこ使用に関する保護者の知識や疑念を調べました。
一度もタバコを使用したことがない人(n = 8994)を対象とした縦断的分析では、家庭内でのタバコ禁止規則と、1~3年後の若者のタバコ使用開始の予測因子として、親が若者とタバコを使用しないことについて話し合ったかどうかを調べています。
通常のタバコ以外のタバコの使用を知っている保護者は多くいなかった
子どもが電子タバコまたは無煙タバコの使用のみを報告した場合、親または保護者は自分の子どもがタバコを使用していることを知っているか、または疑っていることがはるかに少なくなっていました。
子どもと両親が、家庭内でのすべてのたばこ使用を禁止する規則に同意している場合は、青少年のたばこ使用開始率は低くなっていましたが(1年間の修正オッズ比:0.74、95%信頼区間:0.59-0.94)、両親が青少年とたばこについて話し合っているだけの場合は、そうではありませんでした(修正オッズ比:1.08、95%信頼区間:0.94-1.23)。
自分の子どもがタバコを吸っていることを知っている親は少ない・・
多くの親は自分の子どもがタバコを吸っていないことを知らないことがわかりました。
タバコのない環境を期待して親子間で厳格なルールを設定することは、親が子どもにタバコを使用しないようにアドバイスするよりも、子どものタバコ開始を防止するのに効果的であるように思われます。
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