ボタン電池を誤飲すると、局所で放電が起こり、組織損傷を起こします。誤飲したボタン電池が食道内に停滞すると、食道の壁に穴があいてしまい、とても重篤な状態になってしまうことが知られています。今回は、ボタン電池を誤飲した後の様子を、内視鏡で観察した報告です。今後のケアを考えるときに参考になる、重要な調査です。
Ríos G, Rodríguez, L, Lucero, et al. Endoscopic Findings Associated With Button Battery Ingestion in Children Do We Need to Change the Protocol for Managing Gastric Location? Pediatric Emergency Care: November 2020 – Volume 36 – Issue 11 – p 523-526doi: 10.1097/PEC.0000000000001415
胃内にあるボタン電池の様子を観察しました
ボタン電池(BB)を摂取した場合、数分以内に消化管粘膜に腐食性の損傷を引き起こす可能性があることが知られています。
食道内にあるボタン電池は、即時に内視鏡で除去することが明確に確立された治療法ですが、胃内に位置するボタン電池の管理についてはまだ議論の余地があります。
ボタン電池の摂取後に救急室を受診し、評価された子どもの人口統計学的、臨床的、放射線学的、および内視鏡的特徴を記述しました。
2007年11月から2011年11月までの間に、SantiagoのClínica Alemanaで、ボタン電池の内視鏡的除去を受けた15歳未満の子どもの臨床カルテを後方視的に分析しました。
ボタン電池摂取後に胃カメラを実施した25例に関するデータです
上部内視鏡検査を受けた25例を解析したところ,年齢中央値31か月,15例が男性(60%),11例(46%)に摂取後の症状が認められました。
ボタン電池の摂取はX線写真で確認されました。
内視鏡検査では食道にボタン電池が10例,胃にボタン電池が12例,十二指腸遠位にボタン電池が3例認められました。
ボタン電池の摂取から内視鏡検査までの時間は、食道内誤飲では2~10時間、胃内誤飲では2時間~3日でした。
摘出された22個のボタン電池のうち、8個は直径20mm以上で、そのうち6個は食道内、2個は胃内に位置していました。
ボタン電池の色の変化(腐食による)は22本中14本に認められました。
電池エッジの破損は22本中11本に認められた。食道内ボタン電池は全例、胃内ボタン電池は12例中6例に粘膜損傷が認められた。
胃内にあっても粘膜損傷を受ける可能性があります
食道内にボタン電池があると、数時間以内にダメージを受けます。
胃の中にあボタン電池も早期に損傷を起こす可能性があります。
48時間前の胃内ボタン電池は、摘出を考慮する必要があります。
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