熱性けいれんは、乳幼児の発熱に伴い発生するけいれんです。基本的には多くは心配することのない、良性のけいれんですが、解熱剤を使用することで熱性発作の再発防止には効果がないと長い間考えられてきました。今回は、その事実について調べた研究です。
Murata S, Okasora K, Tanabe T, et al. Acetaminophen and Febrile Seizure Recurrences During the Same Fever Episode. Pediatrics November 2018, 142 (5) e20181009; DOI: https://doi.org/10.1542/peds.2018-1009
熱性けいれんにおける解熱剤の安全性や有効性を調べました
熱性けいれん(FS)に対するアセトアミノフェンの使用の安全性を確認し、同一発熱エピソード中のFS再発予防に対する、解熱剤の有効性を評価することを目的に研究を行いました。
単施設前向き非盲検無作為化比較試験では、2015年5月1日から2017年4月30日までの間に受診したFSの小児および乳児(年齢範囲:6~60カ月)を対象としました。
アセトアミノフェン(10 mg/kg)を、初回けいれん後24時間まで6時間ごとに直腸内投与した患者(発熱が38.0℃以上のままの場合)と解熱剤を投与しなかった患者の、けいれん再発率を比較することで、アセトアミノフェンの有効性を検討しました。
対照群にはプラセボは投与していません。主要転帰指標は、同一発熱エピソードにおけるFSの再発でした。
アセトアミノフェンの使用によって熱性けいれんが予防される可能性が判明しました
423人の患者を評価しました。
そのうち219人が直腸アセトアミノフェン投与群、204人が解熱剤非投与群でした。
一変量解析では、FSの再発率は解熱剤なし群(23.5%;P < 0.001)に比べて直腸アセトアミノフェン群(9.1%)の方が有意に低くなっていました。
多重ロジスティック回帰分析の最終的な変数の中で、同一発熱エピソード中のFS再発予防に最も寄与したのは直腸アセトアミノフェンの使用でした(オッズ比:5.6;95%信頼区間:2.3-13.3)。
アセトアミノフェンはFSに対する安全な解熱剤であり、同一発熱エピソード中のFS再発を予防する可能性があることが判明しました。
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