日本でもトランスジェンダーの子どもたちが精神衛生上の問題への支援を求めて、医療機関を訪れるケースが増加していると言われています。まだ社会の理解が不十分なこともあり、トランスジェンダーの子どもたちは、精神疾患や危険行動を起こすリスクが増加していると言われています。米国での現状がどのようになっているのかを調べています。
Handler T, Hojilla JC, Varghese R, et al. Trends in Referrals to a Pediatric Transgender Clinic. Pediatrics November 2019, 144 (5) e20191368; DOI: https://doi.org/10.1542/peds.2019-1368
トランスジェンダーの子どもたちのためのクリニックで集めたデータです
北カリフォルニアの統合医療システム内のトランスジェンダー診療所に紹介される子どもたちの傾向を特定することを目的に調査が行われました。
それにより、小児のトランスジェンダーおよびジェンダー不適合患者の成人き医療の移行に関連した、子どもたちのニーズを特定しました。
2015年2月から2018年6月までの間に、トランスジェンダー専門クリニックに紹介された北カリフォルニアのカイザー・パーマネンテ医療システム(米国の医療法人)内の18歳未満の全患者を対象に医療記録を分析しました。
治療需要の傾向、人口統計学的データ、サービスの要望、手術歴などを医療記録から抽出し、記述統計学を用いて分析しました。
417人の情報を解析した:患者数は年々増加していました
417 例のトランスジェンダーおよび性別不適合の小児患者を同定しました。
紹介時の年齢中央値は15歳(範囲3~17歳)でした。ほとんどの患者(62%)が男性型でした。
203人の患者のうち、68%が非ヒスパニック系でした。
研究期間中、合計506件の紹介を受けていましたが、時間の経過とともに紹介患者数は有意に増加していました(P < 0.001)。
患者が最も多く求めているのは、医学的・外科的介入と精神的健康のサポートでした
ほとんどの紹介は、異性間ホルモンやホルモンブロッカーの開始(34%)、性同一性確認手術(32%)、メンタルヘルス(27%)に関するものでした。
成人医療への移行に関連した依頼は年齢層によって異なっており、若い患者はより多くのメンタルヘルスサービスを求め、高齢の患者はホルモン療法と手術を求めていました。
89人の患者が性別を肯定する手術を受けており、そのほとんどが18歳以前に受けており、最も多いのは乳房切除(77%)でした。
紹介者が増加している事実は、トランスジェンダーの子どもたちのために、拡大された利用しやすい医療サービスの必要があることwを裏付けています。
この大規模サンプルの患者の移行関連ケアは年齢層によって異なり、性別を肯定するケアへの個別のアプローチが必要性であることもわかりました。
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