イタリアでは、多くの重症患者さんがおられたことが報道されていました。しかし、多くは成人や高齢者の患者さんで、子どもの感染者に関する情報は、まだ限られていました。今回の報告は、イタリアで子どもの新型コロナウイルス感染症の患者さんの重症化する因子を調べたものです。
Bellino S, Punzo O, Rota MC, et al. COVID-19 Disease Severity Risk Factors for Pediatric Patients in Italy. Pediatrics October 2020, 146 (4) e2020009399; DOI: https://doi.org/10.1542/peds.2020-009399
イタリア全土をカバーするデータベースから情報を抽出しました
イタリアにおける 18 歳未満のコロナウイルス疾患(COVID-19)小児患者の疫学的および臨床的特徴を記述することを目的に、調査が行われました。
2020年5月8日までに、COVID-19感染が確認された全国の症例ベースのサーベイランスシステムからのデータを分析しました。
対象者の人口統計学的および臨床的特徴を年齢群(0~1歳、2~6歳、7~12歳、13~18歳)別にまとめ、多レベル(地域別にクラスター化)多変量ロジスティック回帰モデルを用いて疾患重症度の危険因子を評価しました。
さらに、小児、成人、高齢者間での比較を行いました。
小児患者は全感染者の1.8%程度、ICU入院は3.5%に必要でした
小児患者(3836 例)は全感染症(216 305 例)の 1.8%を占め、年齢中央値は 11 歳、男性 51.4%、入院は 13.3%に必要となり、基礎疾患を有していた子どもは 5.4%でした。
入院患者511人のうち,3.5%がICUに入院し,4人が死亡しました.
重症化のリスクが低いのは年齢および暦年の増加と関連していたが、リスクが高いの基礎疾患と関連していました(オッズ比=2.80、95%信頼区間=1.74-4.48)。
入院率、ICUへの入院、重症度、症状発現から回復までの日数は、小児、成人、高齢者では年齢とともに有意に増加していました。
1歳未満であることと基礎疾患を有することが重症化の因子でした
COVID-19の小児症例は成人よりも重症度が低いことを示唆していますが、年齢≦1歳と基礎疾患の存在が重症化の危険因子であることを示しています。
小児におけるCOVID-19の理解が深まれば、疾患の病態、医療行為、公衆衛生政策についての重要な洞察が得られる可能性があります。
今回の研究では、イタリアにおける新型コロナウイルス感染症の小児症例(18歳未満)を記述し、成人および高齢者と比較しました。基礎疾患と若年者は、小児および青年における疾患重症化の危険因子であることがわかりました。
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