クループは、幼児が主にかかる病気で、深夜突然犬が吠えるような奇妙な音で咳が始まる病気です。デキサメタゾン0.6mg/kgの投与が、クループの治療法として確立されています(入院、滞在時間、気管挿管の必要性を減少させる)が、代替となるコルチコステロイドによる治療も広く使用されています。今回は、両者の優劣をみた調査です。
Parker CM, Cooper MN. Prednisolone Versus Dexamethasone for Croup: a Randomized Controlled Trial. Pediatrics September 2019, 144 (3) e20183772; DOI: https://doi.org/10.1542/peds.2018-3772
デキサメタゾン・プレドニゾロンの両者の効果を比較しました
小児のクループの治療におけるプレドニゾロンまたは低用量デキサメタゾンのいずれかの使用は、広く使用されているにもかかわらず、厳密な根拠はいまだ欠如しています。
本研究では、0.6mg/kgのデキサメタゾンと0.15mg/kgの低用量デキサメタゾンおよび1mg/kgのプレドニゾロンを比較しました。
西オーストラリア州パースの小児病院と都市部救急室で実施された、前方視的、二重盲検、非劣性無作為化比較試験です。
対象者は、年齢6か月以上、最大体重20kg、電話連絡が可能であることなどです。
除外基準は、既知のプレドニゾロンまたはデキサメタゾンへのアレルギー、過去14日以内の本試験への登録などでした。
内服治療を受けた1時間後の効果を比較した:全ての群で差は認められませんでした
合計1,252人の参加者が登録され、デキサメタゾン(0.6mg/kg;n=410)、低用量デキサメタゾン(0.15mg/kg;n=410)、またはプレドニゾロン(1mg/kg;n=411)の投与を受けるように無作為に割り付けられました。
主要転帰指標は、治療後1時間後のWestley Croup Scoreおよび治療後7日間の予定外の医療再受診でした。
ベースライン時のWestley Croup Scoreの平均値は、デキサメタゾンで1.4、低用量デキサメタゾンで1.5、プレドニゾロンで1.5でした。
1時間後のスコアの調整後差は、デキサメタゾンと比較して、低用量デキサメタゾンで0.03(95%信頼区間-0.09~0.15)、プレドニゾロンで0.05(95%信頼区間-0.07~0.17)でした。
再診率はデキサメタゾンで17.8%、低用量デキサメタゾンで19.5%、プレドニゾロンで21.7%であり、有意な差ではありませんでした[P = 0.59および0.19]。
低用量デキサメタゾンとプレドニゾロンの両方で非劣性が示されました。
経口ステロイドの種類は、急性的にも治療後1週間の間にも、有効性に臨床的に有意な影響を与えないと言えるでしょう。
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