人間と交流する機能を持つ「ソーシャルロボット」。医療や教育の現場でますます存在感を増していますが、小児科入院患者の環境での使用は研究では実証されていません。今回の調査では、ソーシャルロボットが、入院中の子どもたちに与える影響について調べました。
Logan DE, Breazeal C, Goodwin MS, et al. Social Robots for Hospitalized Children. Pediatrics July 2019, 144 (1) e20181511; DOI: https://doi.org/10.1542/peds.2018-1511
テディベアのソーシャルロボットを利用した感想を評価した
3歳から10歳までの54名の子どもを対象に、3つの介入のうち1つを無作為に実施しました。
(1)インタラクティブなテディベアのソーシャルロボット
(2)タブレットを用いたアバター版のテディベア
(3)人間がなかに存在するテディベアのぬいぐるみ
チャイルドライフスペシャリスト関係者から、ソーシャルロボットの使用の受容性に関する質的フィードバックを得て、介入の前後で子どものポジティブとネガティブな感情、不安、痛みの強さを評価しました。
ソーシャルロボットは、子どもたちによく受け入れられた
介入はよく受け入れられ、93%の登録者が研究を完了した(80%の親のデータが完全であった)ため、実現可能であると思われた。
ソーシャルロボットに曝露された子どもたちは、ぬいぐるみを受け取った子どもたたちに比べて、よりポジティブな感情を報告しました。
ソーシャルロボットとの相互作用は、比較介入よりも喜びのレベルが高いことが特徴になっていました。
チャイルドライフスペシャリストたちは、子どもの入院環境において、ソーシャルロボット技術の多くの潜在的な利点を報告しました。
ソーシャルロボットは、入院中の子どもの情緒的なニーズに対応する新しい方法を提供し、情緒的にターゲットを絞った介入へのアクセスを増加させる可能性のある、魅力的なツールであるように思われます。
小児科におけるソーシャルロボット技術の開発と検証は、最終的には、患者のケア経験を向上させるための測定可能で費用対効果の高いツールにつながる可能性がある。
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