学童期の子どもの運動量が減っているのは本当か?

子育て・ホームケア

学童期の子どもたちの運動量が年々減少していることが懸念されています。逆に椅子に座っている時間が長くなり、体力の減少や将来の生活習慣病の発症リスクの増加など、長期にわたって影響を及ぼす可能性があります。今回の調査では、科学的方法で子どもの運動量と座っている時間の経時的変化を検証しています。

Schwarzfischer P, Gruszfeld D, Stolarczyk A, et al. Physical Activity and Sedentary Behavior From 6 to 11 Years. Pediatrics January 2019,  143 (1) e20180994; DOI: https://doi.org/10.1542/peds.2018-0994

子どもの身体活動の変化を5年間にわたって検証した

身体活動(PA)は小児期および青年期に低下すると推定されていますが、この時期の身体活動の変化に関する長期的な研究は存在していません。

そこで、身体活動の変化の程度と潜在的な影響因子の理解を深めることを目的に、5年間にわたって身体活動と座っている行動(SB)を評価しました。

SenseWear Armbandを用い、600人の子どもたちを観察した

Childhood Obesity Projectに参加した600人の子どもたちの6歳、8歳、11歳の時のPAとSBをSenseWear Armband 2を用いて客観的に測定しました。

また総PA(身体活動の総量)、中等度から高度の身体活動(MVPA)、軽度の身体活動(LPA)、およびSBの縦断的変化を混合効果モデルを用いてモデル化しました。

5年間で1日あたり平均75分の総身体活動量が減少していた

総PAは年齢とともに有意な減少を示し(P < 0.001)、6~11歳の間に総PAの1日あたりの変化は-75.3分でした。

軽度の身体活動(LPA)は直線的に1日あたり44.6分減少(P < 0.001)、中等度から高度の身体活動(MVPA)は全体で30.7分減少(P < 0.001)していました。

ところがSBは有意に増加していました(+107分、P = 0.001)。

男子は女子よりも軽度の身体活動(LPA)(P = 0.003)と中等度から高度の身体活動(MVPA)(P < 0.001)が急激に低下していました。

体脂肪量とBMIの高値は、身体活動の低下や座る時間の延長と関係していました

脂肪質量指数とBMI zスコアの高い値は、総PAと中等度から高度の身体活動(MVPA)の低いレベルとSBの高いレベルに関連していました(すべてのP < 0.001)。

PAが減少し、SBが以前に考えられていたよりも早い時期に増加したことが証明されました。

また中等度から高度の身体活動(MVPA)は8歳までは比較的安定していましたが、11歳で低下することも明らかになり、この時期が介入する重要な時期であることも明らかになりました。

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