子どもが下痢をしていると、早くよくしてあげたい、そう思います。そんなとき、乳酸菌が効くかもしれません。今回は、下痢の軽減に乳酸菌が効果があるか検証した研究をご紹介します。
Nixon AF, Cunningham SJ, Cohen HW, et al. The effect of Lactobacillus GG on acute diarrheal illness in the pediatric emergency department. Pediatric Emergency Care. 2012 Oct;28(10):1048-51. doi: 10.1097/PEC.0b013e31826cad9f.
下痢のために受診した子どもたちを2群に分けて薬を投与
NYの小児救急室を受診した子どもたちが対象です。
下痢のために救急室を受診した6か月から6歳の子どもたちを、無作為に2つのグループに分けました。無作為とは、誰かが意図して分けることがないように、ランダムに(適当に)振り分けをしたことを意味します。
片方のグループのはLactobacillus細粒(乳酸菌)、もう一方のグループには、同じ色をしたプラセボ薬(薬としての効果は皆無のもの)を飲ませました。双方1日2回、合計5日間飲ませています。
保護者は子どもの排便回数や便の正常を記録に残しました。
Lactobacillusを飲ませた群の方が、下痢の回復が早かった!
155人が研究に参加しましたが、129人が試験を終了することができました。Lactobacillus群が63人、プラセボ群が66人でした。
正常な便が出るまでの時間の中央値(四分位間範囲)はLactobacillus群が60時間[37~111]、 プラセボ群が74時間[43~120];P=0.37)かかりました。
または1日の下痢便の回数はLactobacillusL群が5.0回[1~10]、プラセボ群が6.5回[2~14];P=0.19)で、両者の間に統計学的有意差は認めませんでした。
内服を開始するまでに2日以上下痢をしていた子どもでは、Lactobacillus群がより早く正常な便に戻っていました。(Lactobacillus群:51時間[32~78] vs プラセボ群:74時間[45~120];P=0.02)また、下痢便のエピソードが少なくなっていました(LGG:3. 5 [1.0-7.5] vs プラセボ:7 [3.0-16.3]; P = 0.02)。
正常便に戻る可能性は、プラセボ群の子どもと比較して、Lactobacillus群では2.2倍高くなりました(95%信頼区間、1.3-3.9; P = 0.01)。
結論:Lactobacillus細粒は、2日以上の症状を呈した小児の急性下痢性疾患の期間を短縮する可能性があることがわかりました。
今後、子どもが下痢をした場合、2日以上続くようであればLactobacillus細粒(ビオフェルミンですね)の内服を始めると、約1日下痢の期間が短くなる可能性がある、ということですね。
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